オーストラリアやニュージーランドでのトレーナーの雇用形態は、日本とは大きく異なります。
日本のトレーナーは「時給」をもらいながら経験を積める
日本では、トレーナーは以下のような形で働くことができます。
- 自分のジムを開業する
- ジムと業務委託契約を結ぶ
- 大手ジムなどに社員・アルバイトとして所属する
つまり、たとえパーソナルトレーニングの報酬が発生していなくても、ジム勤務の時間には時給が発生します。これは「お客さんに教える=経験を積む」ことを、金銭的に支えながら続けられるという大きなメリットです。
海外のトレーナーは「家賃を払って働く」
一方、オーストラリアやニュージーランドでは事情がまったく違います。
ジムで時給をもらって働けるのは、基本的にフロントスタッフのみ。トレーナーはフリーランス契約で、ジムに場所代を毎週支払いながら、その施設を使わせてもらうというスタイルです。
そのかわり、ジムの会員に自分のサービスを売り込むことができますが、報酬はすべて自分で稼がなければなりません。
つまり、パーソナルトレーナーは自分で稼がない限り収入ゼロ。会社からの時給もありません。
海外でトレーナーをやってみたい!という方は、そうした環境のリスクを理解しておく必要があります。
「人に教える経験を積みたい」だけなら、最初は友人や知人に無料で教える方がリスクは低いかもしれません。
お客さん目線で見ると、日本のジムはサービス過剰!?
このように働き方に大きな差がありますが、それはお客さんが受けられるサービスの質にも直結しています。
たとえば日本のゴールドジムでは、こんなサポートがあります。
- 新規入会者向けに全6回の初心者トレーニング説明会(無料)
- トレーニングメニュー作成やフォームチェックも無料対応
これ、オーストラリアではすべて有料です。
パーソナルトレーナーに頼めば無料でやってくれる場合もありますが、その場合はトレーニング契約が前提になるのが一般的です。
海外のトレーナーにとって、ジムにいる時間は“自腹で滞在している”時間なので、無料対応は好まれません。
実際、オーストラリアでプログラム作成をお願いすると、30〜50ドル(約3,000〜5,000円)かかることもあります。
ゴールドジム、実は破格のサービス
日本のゴールドジムの月会費は1万円前後(種別によってはもっと安くなる場合も)。
それでいて、トレーナーのサポートを何度でも受けられ、通い放題というのは海外の感覚からすると破格です。
海外に来て初めて、ゴールドジムがいかにすごいサービスを提供していたのかに気づかされました。
トレーニング初心者こそ、ゴールドジムを使い倒すべきだと思います。
最後に:サービスの価値を正しく評価してほしい
もちろん一方では、「無料で提供しすぎる文化」がトレーナーの知識やスキルの価値を下げてしまっている側面も感じます。
ホスピタリティの高さが裏目に出るケースもあるので、決して一方的に「日本最高!」とは言いきれない部分もあるのが正直なところです。
それでも現時点では、日本のフィットネス環境はお客さんにとって非常に恵まれていると感じます。
これからジムに通ってみようかな、と迷っている方がいたら――
「日本のジムサービスは、実は世界でもかなり手厚い」ということをぜひ知っていただきたいです。
遠慮せずに、どんどん活用してみてください!
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